短答特化?それとも一括合格狙い?
多くの短答式試験受験生が考えるであろう、2つのプランについて考えていきます。
そのプランとは
(1)「今年度は短答特化して短答式試験免除を勝ち取り、その翌年度に論文式試験最終合格を目指す」プラン
(2)「短答式の直前まで租税法や選択科目の勉強を続け、短答式試験を合格した年にそのまま論文式試験一括合格を目指す」プラン
の2つです。
・プラン(1)について
短答式試験と論文式試験では覚える量・精度が違いますし、また論文式試験一括合格するためには租税法と選択科目の勉強が必要不可欠です。
そのため、短答式試験合格のみを絶対目標とおくならば、必然的に短答式試験科目の論文対策や租税法・選択科目の勉強を最小限に抑えることとなります。
このような対策を取る受験生が選ぶと予想されるのが、プラン(1)です。
このプラン(1)の具体的な合格プランは以下のようになると予想されます。
短答式試験に合格した年には、論文式試験において最も分量の多い会計学の科目合格と、短答式試験科目の監査論と企業法の科目合格を狙います。
そして、翌年度に残った科目と租税法・経営学の合格を勝ち取って、晴れて論文式試験最終合格となるのです。
プラン(1)のメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
(1)短答式試験対策と論文式試験対策は重なる面は多々あるものの、やはり異なると言える。
そこで、短答式試験対策に初めから特化することにより、短答式試験の確実な合格を目指すことができる。
(2)租税法と選択科目の勉強を抑えることにより、他科目の勉強に時間を割くことが可能となり、「二兎を追うもの一兎も得ず」な状態になることを避けることができる。
デメリット
一度短答式試験に合格して、得られる論文式試験の受験資格は3回分しかない。
また、論文式本試験は専門学校の答練と違って、日々の勉強が報われない場合、または自分が所属している専門学校にとって圧倒的不利になる場合がある。
以上のことを考えると、複数の科目受験によりリスク回避可能な一括合格狙いより、1つの科目を確実に合格する方が難しいという考えもある。
そのため、最初の論文式試験で一括合格を放棄することはリスクの高い行動であると考えることもできる。
・プラン(2)について
過年度に短答式試験に合格する力を持ちながら、短答式試験不合格になってしまった方や、最初から論文式試験最終合格のみを見据えて勉強計画を立てようとしている受験生が選ぶと思われるのがプラン(2)です。
このプラン(2)の具体的な合格プランは以下のようになると予想されます。
短答式試験の前から、短答式試験科目の論文式試験対策と租税法・選択科目の勉強に力を入れ、短答式試験後に全科目の論文式試験対策に特化し、そのまま論文式試験一括合格を狙います。
プラン(2)のメリットとデメリットは以下の通りです。
メリット
上記のプラン(1)のデメリットでも述べたが、複数科目の合計点数により合否が決まる一括合格を狙う方がかえってリスク回避になり、一つ一つを確実に合格しようとする科目合格より、一括合格の方が容易という考え方もある。
デメリット
短答式試験前に論文式試験対策を行いすぎて、短答式試験に落ちてしまっては元も子もない。
一般的な受験生の傾向
短答式試験免除制度や論文式試験科目免除制度は2006年度より導入された制度であるため、2007年度以降の論文式試験の受験レベルがどのようになるか予想できません。
ですから、プラン(1)を取るべきなのか、プラン(2)を取るべきなのかはその人の勉強進捗度合いや日頃の成績に応じて決めるべきと考えられます。
1.プラン(1)を取ると予想される受験者層
・勉強を初めてまだ1年目の初学者
・在学中である等、金銭的にも時間的にも余裕がある受験生
・働きながらの受験で勉強に多くの時間を割けない受験生
・論文式答練の成績が思わしくなく、論文式試験で一括合格する自信のない受験生
2.プラン(2)を取ると予想される受験者層
・前年度の短答式試験でまさかの不合格となってしまった実力のある受験生
・家庭持ち等、金銭的にも時間的にも余裕がない受験生
・「絶対に今年度中に論文式試験一括合格してみせる」という強い意志を持った受験生
|